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<問題>
Aが,Bに住宅用地を売却した場合の錯誤に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば誤っているものはどれか。
- Bが,Aや媒介業者の説明をよく聞き,自分でもよく調べて,これなら住宅が建てられると信じて買ったが,地下に予見できない空洞(古い防空壕)があり,建築するためには著しく巨額の費用が必要であることが判明した場合,Bは,売買契約は錯誤によって無効であると主張できる。
- 売買契約に要素の錯誤があった場合は,Bに代金を貸し付けたCは,Bがその錯誤を認めず,無効を主張する意思がないときでも,Aに対しBに代位して無効を主張することができる。
- Aが,今なら課税されないと信じていたが,これをBに話さないで売却した場合,後に課税されたとしても,Aは,この売買契約が錯誤によって無効であるとはいえない。
- Bは,代金をローンで支払うと定めて契約したが,Bの重大な過失によりローン融資を受けることができない場合,Bは,錯誤による売買契約の無効を主張することはできない。
<解説>
- 正∵95条
- 誤∵原則として意思表示の無効は当事者以外の者は主張できません。
しかし、判例(最判昭45.3.26)は、表意者が錯誤の事実を認め、かつ、債権者の表意者に対する債権の保全の必要がある場合に、その債権者に錯誤の主張をすることを例外的に認めています。
本肢では表意者Aが錯誤を認めていません。
したがって、原則どおり、本肢では、Aは無効主張できません。
よって、本肢は誤りとなります。
- 正∵本肢では動機の錯誤が認められます。
そして、原則として、動機の錯誤は「要素の錯誤」(95条本文)にあたりません。
しかし、動機が明示又は黙示に表示されていれば、動機の錯誤が「要素の錯誤」(95条本文)に例外的にあたりえます。
本肢で、表意者Aは、Bに対して、明示又は黙示に動機を表示していたとはいえません。
したがって、原則どおり本肢では、Aは無効主張できません。
- 正∵95条但書
<正解>2
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