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<問題>
意思無能力者又は制限行為能力者に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。
- 意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合,その親族が当該意思表示を取り消せば,取消しの時点から将来に向かって無効となる。
- 未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合,その未成年者が婚姻をしていても,親権者が当該意思表示を取り消せば,意思表示の時点に遡って無効となる。
- 成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合,成年後見人は,当該意思表示を取り消すことができる。
- 被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合,保佐人は,当該意思表示を取り消すことができる。
<解説>
- 誤∵意思能力を欠いている者の行為は無効である。「取り消せば将来にわたって無効となる」のではなく、取り消しうるまでもなく無効である。よって、本肢は誤り。
- 誤∵婚姻すれば成年とみなされるので(753条)、5条の規定は適用されない。したがって、「親権者は取り消」すことができるとする本肢は誤り。
- 正∵法定代理人の同意を得ても、9条但書の場合を除き、被成年後見人は有効な取引をすることはできない。
5条3項、13条4項、17条4項も併せて参照してください。
その他の制限行為能力者は、同意権を有するものの同意があれば、取消しうる行為であっても有効な取引をすることに注意しましょう。
- 誤∵本肢の取引は13条1項3号にあたりますが、保佐人の同意を得ているため取消すことができません。したがって、「取り消すことができる」とする本肢は誤りとなります。
<正解>3
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