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<問題>
民法の規定及び判例によれば,請負契約における請負人の担保責任に関する次の記述のうち正しいものはどれか。
- 完成した目的物に瑕疵があり請負人が修補義務を負う場合においてその修補が可能なものであっても,注文者は瑕疵の修補に代えて直ちに損害賠償の請求をすることができる。
- 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な瑕疵があるときは,注文者は瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが契約を解除することができる。
- 完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において,その物が引渡しを受けてから3年目に瑕疵により毀損したときは,注文者はその時から2年以内に修補又は損害賠償の請求をすることができる。
- 完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において,その物に契約をした目的を達することができない重大な瑕疵があるときは,注文者は契約の解除をすることができる。
<解説>
- 正∵判例(最判昭54.3.20)
- 誤∵仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない(634条1項)。
本肢では瑕疵が重要なので、634条1項但書の場合にあたりません。
したがって、本肢の場合、注文者は瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることができます。
以上から、注文者は瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることは「できない」とする本肢は誤りとなります。
- 誤∵工作物が前項の瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から一年以内に、第六百三十四条の規定による権利を行使しなければならない(638条2項)。
本肢は、建物という「工作物」が瑕疵により毀損したときなので、本条の適用受けます。
したがって、注文者は損傷のときから1年以内に修補又は損害賠償の請求をしなければいけません。
以上から、「2年」以内に修補又は損害賠償の請求をすることができるとする本肢は誤りとなります。
- 誤∵仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない(635条1項)。
本肢は、完成した目的物が建物その他土地の工作物に瑕疵がある場合なので、635条1項但書が適用されます。
したがって、本肢の場合、注文者は契約の解除をすることはできません。
以上から、注文者は契約の解除をすることが「できる」とする本肢は誤りとなります。
<正解>4
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