<問題>
物上代位に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、物上代位を行う担保権者は、物上代位の対象となる目的物について、その払渡し又は引渡しの前に他の債権者よりも先に差し押さえるものとする。
- 不動産の売買により生じた債権を有する者は先取特権を有し、当該不動産が賃借されている場合には、賃料に物上代位することができる。
- 抵当権者は、抵当権を設定している不動産が賃借されている場合には、賃料に物上代位することができる。
- 抵当権者は、抵当権を設定している建物が火災により焼失した場合、当該建物に火災保険が付されていれば、火災保険金に物上代位することができる。
- 不動産に留置権を有する者は、目的物が金銭債権に転じた場合には、当該金銭に物上代位することができる。
<解説>
- 誤
∵ 先取特権は、物上代位性が認められます。
そして、賃料への物上代位は認められます。
よって、本肢は正しいことになります。
- 誤
∵ 賃料への物上代位は認められます。
よって、本肢は正しいことになります。
- 正
∵ 火災保険金について物上代位は認められます。
よって、本肢は正しいことになります。
- 誤
∵ 留置権に物上代位性はありません。
本肢は「物上代位することができる。」としているので、この点が誤りとなります。
基本中の基本の知識ですが、過去問に出題はないと思います。
<正解>4
<雑感>
担保物権の通有性について押さえておけば、簡単に答えが出る問題でした。
問題文のなお書きなんて見るまでもありません。