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<問題>
民法の規定によれば,土地の売買契約に関する次の記述のうち正しいものはどれか。
- その土地が第三者の所有であって当該第三者に譲渡の意思がないときは,契約は無効となる。
- その土地に隠れた瑕疵があって買主がそのことを知らなかったときは,買主はその事実を知ったとき,瑕疵の程度に関係なく契約を解除することができる。
- その土地に権利を主張する者がいて買主が買い受けた土地の所有権の一部を失うおそれがあるときは,買主は売主が相当の担保を提供しない限り,その危険の限度に応じて代金の一部の支払いを拒むことができる。
- その土地に抵当権が設定されていて買主がそのことを知らなかったときは,買主はその事実を知ったとき,抵当権行使の有無に関係なく契約を解除することができる。
<解説>
- 誤∵他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う(560条)。
本肢では、売買の目的物たる土地は第三者所有ですが、売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負うことになり、契約は有効です(560条)。
したがって、「無効となる」とする本肢は誤りとなります。
- 誤∵本肢は「土地に隠れた瑕疵があって買主がそのことを知らなかったとき」とあり、570条に基づき瑕疵担保責任を問うことができる場合にあたります。
ここで、570条の準用する566条1項は解除できる場合を「そのために契約をした目的を達することができないとき」に限定しています。
したがって、「瑕疵の程度に関係なく契約を解除できる」とする本肢は誤りとなります。
- 正∵売買の目的について権利を主張する者があるために買主がその買い受けた権利の全部又は一部を失うおそれがあるときは、買主は、その危険の限度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。ただし、売主が相当の担保を供したときは、この限りでない。
(576条)
- 誤∵567条1項は、売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができるとして、買主の善意・悪意を問題にしていません。
本肢では、「買主がそのことを知らなかったときは〜抵当権行使の有無に関係なく」とする点が誤りです。
また、567条1項は、解除の要件を「〜抵当権の行使により買主がその所有権を失ったとき」に限定しているので、本肢が「抵当権行使の有無に関係なく」とする点でも誤りです。
<正解>3
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